NEEの人

施設工事の人

施設工事 [仕事の風景]

即応

災害や車両事故等による設備障害は常に時間との戦いのため、迅速かつ的確な設備補修を実施し、「即日対応」「即日復旧」の実現を目指す。

予測

天候の変動や現場の事象を踏まえて、起こり得る状況をあらかじめ予測し計画を立てることで、作業の安全、早期復旧につなげる。

S.J.

加須道路事務所
加須施設工事課
2014年入社

高速道路を安全で快適に利用できるのは、日々整備に携わるエンジニアたちの存在があってこそ。道路照明やETC等の多岐にわたる設備の補修を担っているのが今回取り上げる施設工事だ。災害などの非常時も、日常業務でも、迅速な復旧、高い施工品質、そして緊密な連携を徹底し、使命感を胸に「時間との戦い」に挑む彼らは、現場で何を学び、いかに行動しているのか。その実情を聞いた。

OUTLINE

施設工事の補修対象は電気通信機械設備から給排水設備、ETC設備、トイレ設備など。そして業務は施工方法の決定から資材調達、工程管理に至るまでと多岐にわたる。入社後は多種多様な工事を経験し、設備の特性を深く学んできたS.J.。施工品質を妥協せず、高速道路を利用する一般車の流れを妨げないことを使命とし、安全で快適な高速道路の維持を目指している。

施設工事 [仕事の風景]

多種多様な高速道路の設備
すべてを担い経験を積む

私が所属する施設工事課では、高速道路に設置された各種設備の補修を担当しています。対象は道路照明やETC等の電気通信機械設備、サービスエリアに設置してあるトイレ等の給排水設備など多岐にわたり、故障設備の復旧や車両事故による損傷箇所の修繕作業を実施します。決められた工程や手法を遵守しながらもエンジニア各自の裁量で創意工夫する場面もあり、経験や判断力が求められます。例えば、加須管内は夏の暑さが厳しいため、私の班では熱中症予防の観点から、夜間や早朝の涼しい時間帯に作業を実施。作業者の安全を第一に考えた工程管理を徹底しています。

入社後、最初の配属先は長野道路事務所でした。山間部に位置する長野はトンネルが多く、特有の設備も数多くあります。照明や火災時に使用する消火栓、延焼を防ぐ水噴霧設備、避難誘導用の誘導標識、排煙用のジェットファンなど、多種多様な設備の補修経験を積みました。設備の構造や特性を深く理解する貴重な機会となり、他の拠点に異動した後も当時の知識が役立っています。さらに大型車両の運転免許も入社後に取得。高所作業用の大型リフト車や高さ17メートルまで伸びるビームリフター、クレーン付きトラックなど、多彩な車両の操作経験も積むことができました。

施設工事 [仕事の風景]

私たちの仕事の
意味と意義を忘れず補修に臨む

多くの方がイメージされる高速道路の設備補修のうち、一つは経年劣化への対応が思い浮かぶかと思います。例えば、橋梁部分の高速道路沿いに敷設された光ケーブルは車両が走る振動によって少しずつ損傷します。経年により損傷してしまった設備への対応はもちろん、損傷を未然に防ぐことも私たちの重要な役割です。加須管内では現在、道路照明のLED化や設備の落下防止対策に注力しています。落下防止策の一つとして、たとえボトルが腐食しても照明が落下しないステンレスワイヤーの設置を進めています。

もう一つは、車両事故による設備損傷です。特に道路照明の損傷は光量が必要な夜間までに復旧を完了させる必要があります。地域特性や時間帯、気候などを都度考慮に入れつつ、即日復旧することを前提に迅速な作業を徹底しています。さらに地震などの災害時には、より臨機応変な対応が求められます。長野道路事務所に所属していた際、震度6の地震を経験しました。サービスエリアのトイレ配管が破裂し、補修と同時にお客さまへのバケツ貸出など、直接的な支援も実施。職種の枠を越え、お客さまファーストで対応することで、自分の仕事の意義を再認識した出来事になりました。

施設工事 [仕事の風景]

甚大な被害をもたらす災害には
日頃からの連携を欠かさない

2019年に発生した「令和元年東日本台風」では、長野市が記録的な豪雨に見舞われ、大規模な洪水により上信越道が約2週間通行止めになりました。NEXCO東日本主導のもと、NEE、ネクスコ・メンテナンス関東、舗装業者と協力してのり面崩落の復旧を行いました。また、のり面に崩落が起きると埋設された光ケーブルも損傷します。部分的な損傷であれば予備線への振替えで対応できますが、損傷が激しい場合には仮設ケーブルを設置する必要も生じます。想定外の事象が起こるこうした非常時への対応は、いかに社内外の枠を越えてスムーズに連携を図れるか、そして事前の備えと体制づくりにかかっています。

日常的な業務では、施設保全課が点検を行い、変状をNEXCO東日本に報告し補修計画の検討と策定が行われ、計画に基づき私が所属している施設工事課が補修作業を行う、これが基本的な流れです。給水配管補修時の水止めなどでは、施設保全課の支援が不可欠です。一方、同課が実施する道路照明点検や車線規制が必要な作業では、我々が高所作業車の運転や規制作業を担当します。日常においても互いに連携し協力し合う体制を築いているからこそ、想定外の事態にも冷静に、迅速に対応することができるのだと思います。

お客さまの「流れ」を妨げない
という使命を胸に

迅速な復旧、対応が求められる業務において、何よりも大切なのは今後の状態を見据えて行動することです。今すぐに対応が必要な直近の作業はもちろん、私たちの仕事は「どのような状況になるのか」何年も先の状況を予見しなければなりません。屋外で長期間使用する設備は風雨や気温変化にさらされ続けます。数年後や数十年後も変わらず安心して利用できる設備を目指し、過去の施工方法を見直しながら技術をアップデートし続けています。

ここまで作業の迅速さについての重要性を語ってきましたが、高速道路に携わる者の使命として、最も大切なのはお客さまの「流れ」を妨げないことです。車線規制を伴う作業もある中、交通量の多い時間帯に規制を行えば渋滞が発生しますし、事故の危険も高まります。迅速な作業は、あくまでお客さまの「流れ」を、そして安全・安心を妨げないために必要な一要素です。私たちの仕事は、お客さまの安全・安心・快適・便利な利用のためにあることを胸に刻み、高速道路の未来を担い続けていきたいと思っています。

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