Y.M.
市原保全計画センター
土木点検診断一課
2019年入社
入社以来、一貫して点検業務を担当するY.M.。多種多様な道路構造物を隅々まで点検し、事故や災害のリスクを評価、補修方法を提案する。時には地上数メートルから数十メートルにもなる、高所での作業も担う点検エンジニアのY.M.に、高速道路における点検業務の今、そして未来について聞いた。
NEEの人
真摯
社内外問わずすべての関係者に、そして
一つひとつの点検に、真摯に向き合う。
継続
点検業務のベースは、土木構造物の技術的な知識。日々の知識習得や現場での学びを成長への礎にする。
Y.M.
市原保全計画センター
土木点検診断一課
2019年入社
入社以来、一貫して点検業務を担当するY.M.。多種多様な道路構造物を隅々まで点検し、事故や災害のリスクを評価、補修方法を提案する。時には地上数メートルから数十メートルにもなる、高所での作業も担う点検エンジニアのY.M.に、高速道路における点検業務の今、そして未来について聞いた。
OUTLINE
千葉管内の橋梁、トンネルなど多岐にわたる構造物を担当。変状原因の特定や報告の正確性を重視し、日々の技術習得を習慣としている。チームで動くため、マネジメント能力の向上も怠らない。多くの土木構造物が今後老朽化していく中、社会インフラの維持に欠かせない点検業務に全力で取り組んでいる。
多岐にわたる道路構造物すべてを
漏れなく点検するために
私が担当している千葉管内には、供用開始から60年を超える京葉道路をはじめ、老朽化が進む区間が多く存在します。一方で、圏央道は2026年度に全線開通を予定しており、新旧含めさまざまな特性があります。さらに構造物は橋梁、カルバート(暗渠)、トンネル、のり面など特殊性においても多岐にわたる中、これらすべての点検業務を担っています。
大きな構造物を端から端まで漏れなく仔細に点検するため、必ず協力会社の方を含むチーム単位で行動します。さらに私が所属している拠点では若手のエンジニアが増えており、点検の質を向上するためにも育成の重要性を日々感じています。体力を要する仕事ながら女性のエンジニアも活躍しており、マネジメントと業務の効率化は重要なミッションだと認識し取り組んでいます。
日々の技術研鑽によって支える
高速道路の安全
点検は、起きている変状を正確に把握すること、そしてより正確な調査や診断へとつなげるため、点検時に変状の原因まで特定しようとする意識が重要です。点検の結果報告に基づき調査や補修計画が策定されるため、先入観を一切排除し、正しい用語を用い、正しい内容で、相手に正確に伝わる報告書を作成するには、構造物や起こり得る変状を深く理解している必要があります。図面を細部まで読み込み、日々技術習得に努めています。
一人だけでは技術研鑽の進捗に限りがありますが、市原保全計画センターでは毎月、点検報告の結果を公開し共有する機会があり、他チームの事例から学ぶことができます。センター長をはじめ、他のエンジニアから技術指導を受ける機会もあり、全員で点検の技術向上を図る気運がセンターに満ちていると感じます。他にも、NEEでは資格取得も支援しており、私は入社後に高速道路点検士や道路橋点検士、2級構造物診断士を取得しました。高い専門性が求められる業務だからこそ、一人ひとりの技術研鑽によって支えられている仕事だと思います。
大規模点検の経験を通じ
協業の重要性を学んだ
一貫して点検業務を経験してきた中で、特に京葉JCTのトンネル点検が印象に残っています。京葉JCTは、地下の東京外環自動車道と地上の京葉道路を接続する完全地下構造のJCTで、地下ランプ(トンネル)の一部にNEXCO東日本関東支社管内で初となるシールド工法が採用されました。初の技術が用いられた構造物の最初の点検を担当することになり、工程は1か月間に及びました。手探りの状態ではありましたが、完遂することができ、大きな自信になりました。
大規模点検においては、協力会社の方を含め30人ほどが携わります。点検の担当者全員が、現場のすべてを把握しているわけではない。この前提に則り必要な情報を共有し、各班が適切に機能するために必要な行動を、実践を通じて学べたことも大きな経験となりました。協業においては、相手に真摯に向き合う姿勢が何よりも大切です。相手が誰であろうと、担当管区が変わっても、この姿勢を持ち続けることで点検の精度に寄与できると考えています。
点検業務自体の価値を高め
次代へ引き継ぐ
利用者の立場として、高速道路を走行していた頃には見えなかった構造物の「裏側」に触れるようになり、年月と共に劣化が進む現状を目の当たりにしてきました。多くの構造物が今後さらに老朽化していくことを考えると、社会インフラを維持し守る上で、私たちの仕事の重要性を日々実感しています。
非破壊検査、ドローンやAIの活用など、点検に関する技術も日々進化している中、高所作業や夜間作業といった危険を伴う作業をより安全に、効率よく、そして正確性を追求していくことも、私たちに課せられた重大なミッションです。「見えない」仕事だからこそ、点検という仕事の意義と価値を損なうことなく次の世代に引き継いでいくことが、社会インフラを守る一助になると確信しています。