NEEの人

情報セキュリティの人

情報セキュリティ [仕事の風景]

現場

大切なことは現場目線。各現場で「業務と並行して学びを深めるには」を考え続ける。

浸透

一過性の学びではなく「現場に浸透して、自走が始まること」を一つのKPIに据え、自らの業務と向き合う。

  • Y.H.

    技術本部 技術管理部
    社内システム課
    1992年入社

    マネジメントの立場から研修全体を俯瞰しアドバイスを送る。

  • Y.T.

    技術本部 技術管理部
    社内システム課
    2001年入社

    「現場業務では」という目線で制作をサポート。

  • N.Y.

    技術本部 技術管理部
    社内システム課
    2008年入社

    主にセキュリティ検査視点で動画内容の校正を担当。

  • K.M.

    技術本部 技術管理部
    社内システム課
    2014年入社

    プロジェクトリーダーとして動画制作を指揮。企画構成を行う。

  • M.Y.

    技術本部 技術管理部
    社内システム課
    2017年入社

    実制作メンバーとして企画構成、進行管理を行う。

  • K.Y.

    技術本部 技術管理部
    社内システム課
    2018年入社

    実制作メンバーとして企画構成、進行管理を行う。

OUTLINE

社内システム課では現在、業務の一環として社内向け情報セキュリティ研修用動画の制作とリリースを行っている。「実業務への負荷を軽減できる最適な伝え方とは?」「より多くの社員の関心をひく方法は?」「さらなるアップデートを進めるために必要なことは?」。
一人ひとりのプロ意識が情報セキュリティの精度を上げていく、その道筋を追った。

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“現場の声”と“チームの力”から生まれた
研修動画という新たな施策

「情報セキュリティ意識啓蒙の強化施策は4年ほど前にスタートし、社内の意識は上がってきています。反面、“知識はあるが実践はまだ”という社員が多く、現在はさらなる対策を講じている段階です」と、社内システム課の課長Y.H.は語る。近年、デジタルデバイスやアプリケーションといったテクノロジーの進化は、NEEにおいても生産性向上の一助となっている。一方で、悪意をもった不正アクセスに起因する事件は後を立たず、多くの企業で対策が急がれているのが実情だ。NEEではリスク対策として、情報セキュリティ研修の強化を継続的に進めてきた。

当初から続く施策の一つに、社内システム課が毎週配信している情報セキュリティ啓発メール「ウィークリーニュース」がある。時流のトピックスや社内での取り組みを紹介し、内容自体は充実しているのだが─。
「特に作業現場に近い職場は人の出入りも多く、担当業務によっては長いメールを理解して読み切ることが困難でした」。現場経験が豊富なY.T.は、自らの経験をもとにこう語った。このような現場の声を受け、社内システム課ではメール以外の手段を検討。そして生まれたのがアニメーションを活用した動画だ。

「ウィークリーニュースのほかにも、e-learningや対面での研修を実施していました。しかし内容が難しく頭に入ってこないといった声があり、苦慮していたところで動画のアイデアが生まれました」。プロジェクトリーダーとして動画の企画構成を手掛けているK.M.は、動画が生まれるまでの経緯をこう説明してくれた。さらに「アニメーション動画にした理由の一つに“記憶の残りやすさ”があります。映像や音声は文字よりも記憶に残りやすいため、表現手法として最適だと判断しました」と語るのは実作業を担うK.Y.。K.Y.とともに実作業を担うM.Y.も「アニメーション動画であれば文字を読むより親しみやすいのではないかという意見がありました。加えて、空き時間に少し見てみようと思ってもらえる気軽さも後押しになりました」と語り、チーム全体で検討を重ねながらプロジェクトを進めている連帯感が見てとれた。

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新たな取り組みとこだわりが生み出した
新たな価値と展開

“現場の声”をきっかけにスタートしたアニメーション動画制作。実は既にその原型があった。「情報セキュリティ研修のはじまりは、管理職向けでした。音声付きのスライド動画を使用していましたが、長さが30分ほどあり、内容も表現も”堅い”の一言。これを親しみやすい内容にアレンジし、なおかつテーマごとで約5分の長さに分割することにしました」。K.M.は動画企画にあたり、原型を活用した制作方針を定めた。

課長のY.H.は、テーマ選定にあたりメンバーに提示した軸をこう語る。「従来取り上げてきた研修内容は、一般的なセキュリティ対策。汎用的な内容をNEEのセキュリティ対策へと昇華することで、社員それぞれが自分事として動画視聴できるのではないかと伝えたんです」。ここからテーマ選定が一気に加速していった。

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テーマ選定にあたってはあらゆるアイデアが集まった。現場のセキュリティ状況チェックを業務の一つとして担っているN.Y.もアイデアを出した。「社用PCのログイン認証に必要なユーザーカード。PCから離れる際はセキュリティ上、常時携帯が必須でしたが、時折デスクに置いたままになっているのを見かけていました。セキュリティ管理上、重大なリスクになり得るため、テーマの一つとして提案し採用されました。実際の現場に目を向けていたからこそ生まれたテーマでした」。

テーマ選定に加えて、M.Y.は細かな表現にも強くこだわった。「自分事として視聴するという観点から、具体的な業務内容はもちろん、日常的に使われている社内用語、作業着まで“NEEっぽさ”を再現。アニメーションとはいえリアルさを追求しました」。同じく実作業を担うK.Y.にも別のこだわりが。「アニメーションの音声収録にあたって、登場するキャラクターに個性を付与する声質、視聴者が聞き取りやすいセリフのスピード、一番聞いてほしい箇所にわかりやすい発声の抑揚をつけるなどこだわりました。画面内で動いていただけのキャラクターに声が吹き込まれていくたび、命が芽吹いているようで感動しました」。2人のこだわりは、動画から新たな展開を見せた。キャラクターが社内掲示用ポスターやPCのデスクトップ画像として活用され、広く社内へ浸透していく大きな推進力となった。

ゴールなきセキュリティ対策は
すべてのステークホルダーのために
アップデートを繰り返す

アニメーション動画の初回リリースから現在までの期間、実に40本以上の動画が制作、リリースされ、社内用動画掲示板で社員はいつでも閲覧することができる。現在までの成果についてY.T.がこう教えてくれた。「これまで年間6~7本のペースで動画を作成してきました。作成しリリースするたびにアンケートを行い、有用性や改善点に関する意見を集めています。大半がポジティブな内容で、私たちの励みになっています。視聴数も全社員の90%以上となっており、私が以前いた現場でもかなり浸透しているようです」。

「アンケートの中には貴重な要望も含まれています。私が注目したのは“実際にインシデントが発生した際の対処法を知りたい”というもの。確かに防止策は多く示していますが、発生後の対応に関する知識も重要であると改めて気づくことができました」。セキュリティ対策のプロ目線で、N.Y.は発見と改善点についてこう語った。加えてプロジェクトリーダーのK.M.は「時代の流れとともにアタッカーもレベルアップしており、私たち自身もレベルアップする必要があります。常に最新情報を動画企画に組み込むなど、今この瞬間に役立つ内容にし続けなければなりません。セキュリティ対策をバーチャル体験できる企画なども面白いかもしれませんね」と、既に意識は次の企画へと向いていた。

「入社3年目の社員を対象に行っている集合型の情報セキュリティ研修も、受講対象を広げ、座学だけでなく実体験を多く取り入れた研修をやってみると新しい発見があるかもしれません。動画と実地といった多様な研修を組み合わせ、全社の情報セキュリティ意識向上を図ります」とM.Y.はその意気込みを語る。「私も常にアンテナ高く情報をキャッチし、時代、そのときどきの状況に合わせた研修をつくり、インシデントの撲滅に寄与したいと思います。社員一人ひとりが自然と情報セキュリティに取り組むという状況が一つのゴールかと思います」とK.Y.は気を引き締めた。

「私たちの取り組みは当然、NEEとすべてのステークホルダーのためのものです。一方でNEXCO東日本グループの全体の施策として進められているものも多数存在します。NEEの情報セキュリティ対策が、グループ全体のセキュリティ対策でもあること、また世の中のステークホルダーのための対策であることも、今後全社に伝えていきたいですね」。Y.H.の言葉には、自分たちの取り組みの意義がありありと溢れていた。

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