INTERVIEW 綿密な設計と計算で、
トンネル内の安全を担う。
施設事業本部 施設調査設計部 施設設計課
※令和2年1月現在 井澤 理紀 masanori isawa
井澤 理紀 井澤 理紀

学生時代は、災害時に役立つ車両型ロボットを研究。

大学と大学院では、制御工学の分野で人工頭脳について研究しました。中でも力を入れていたのが、人が立ち入ることができない、災害時の悪路でも走れて探索ができる車両型ロボットの研究です。NEEでも、こうした車両型ロボットを点検に活用していることを知り、いずれは私もそうした開発ができればと思い、入社を決めました。

入社1年目は、水戸道路事務所配属となり、路上設備工事等の工程・安全・品質・予算管理を担当。2~3年目は、埼玉の加須道路事務所で、受配電設備や路上設備の点検や故障対応を担当しました。書類仕事が中心だった水戸とは違い、加須では現場である高速道路での業務が中心。そのため、毎日気になったのが天候です。夏場、夕刻になると突如落ちる雷には悩まされました。発生した落雷が付近の様々な路上設備に波及し電気系統に影響を及ぼしたときは、故障対応に苦労しました。

学生時代は、災害時に役立つ車両型ロボットを研究。

トンネル内の非常用設備とジェットファンを設計。

入社4年目の途中から、本社の施設調査設計部 施設設計課で、高速道路のトンネル内の非常用設備と換気設備の設計を担当しています。非常用設備とは、消火器、消火栓、火災検知器といった、トンネル火災が起こったときに使用する設備。換気設備はジェットファンと呼ばれるトンネルの天井についている巨大な送風機です。ジェットファンには、人体に有害な一酸化炭素等を含む排気ガスをトンネル外に排出する役割があります。その他に、視界不良の原因となる黒煙・粉塵や火災発生時の煙を外に出す役目も担っています。

設計といっても、設備そのものの設計をしているのではなく、非常用設備とジェットファンをどのような配線や方法で、どのくらいトンネル内に設置するのかを考えるのが、私の業務です。古いトンネルだと、火災検知器の配管が腐食し始めていることもあります。これをそのまま新しいものに変えるだけではなく、腐食しないよう地面の中に配管するといった方法まで考えます。

排ガス規制に伴い、車から出る排気ガスが減少した事でNEXCO東日本のルールが変わったため、ジェットファンは今、大きな見直しを図っています。管轄エリアにあるトンネルのジェットファンについては、新たな設計を進めています。どのくらいの大きさのファンを何個取り付けるのか。トンネルの断面積、交通量、標高、風の影響などの詳細なパラメーターから、複雑かつ膨大な計算をして、さまざまな条件を決めていきます。小さなパラメーターや計算を誤ると、すべてがくるってしまうので、慎重に設計しなくてはなりません。プレッシャーは大きいですが、だからこそ、やりがいも感じています。

トンネル内の非常用設備とジェットファンを設計。

NEEの業務で活用できる、車両型ロボットを開発したい。

本社に来て1年目なので、今は先輩や上司のアドバイスを求めながら、設計を進めています。早く一人前になって、自分だけで設計が進められるようになりたいです。

トンネル内の設備の設計を担当しながらも、実はトンネルについてはわからないことがたくさんあります。道路事務所にいたときも、ほとんどトンネルがないような現場でした。気軽に見学に行ける場所でもないのが、正直もどかしいです。トンネルについて、もっともっと勉強しなければならないと毎日痛感しています。

いずれは、NEEの業務で活用できる、車両型ロボットを開発したいです。例えば、今活躍している管渠点検ロボットがあるのですが、あの改良型を手がけることができたらと考えています。そのためにも、トンネルはもちろん高速道路についても知識を深めて、いろいろ研究を重ねていかなければと思います。

NEEの業務で活用できる、車両型ロボットを開発したい。